« 法医学リーズン《82》 | トップページ | 法医学リーズン《84》 »

2009年7月11日 (土)

法医学リーズン《83》

(3) 墜落死・転落死と交通事故死との見分け方
   人体が動いて鈍体に衝突する(墜落死・転落死)のと、鈍体(自動車等)が
  動いて人体に衝突する(交通事故死)のとの違いはあっても、いずれも攻撃
  面の広い鈍器・鈍体による損傷ということで、墜落死・転落死と交通事故死
  の死体所見は著しく似ています。
   したがって、この両者を見分けるには、近くに飛び降りたり転落したりする
  高い場所がないかどうか、路上に自動車の塗料片やガラス片などが落ちて
  いないか、タイヤのスリップ痕がないか、死者の着衣等に塗料片等が付着し
  ていないかなどを十分に観察しなければなりませんが、一応、次のようなもの
  が両者を見分ける基準となります。
  ア 点状表皮剥脱・線状表皮剥脱
    墜落死の場合には、高所から落下し、人体が直角に落下面に打ち付けら
   れるのに対し、交通事故死の場合には、自動車等で跳ね飛ばされた後、落
   下面に一定の角度を持ち斜めに衝突します。つまり、墜落死の場合は、落
   下面にたたき付けられて止まるのに対し、交通事故死の場合には、落下し
   た後、人体が落下面から移動(ずれる)します。このため、落下面に存在す
   る砂利などによる表皮剥脱が、墜落死では点状になるのに対し、交通事故
   死では、線状の表皮剥脱ができやすいのです(写真参照)。

Dscn086351
※ 点状表皮剥脱

Dscn086452
※ 線状表皮剥脱

イ 轢圧創
  交通事故死の場合、自動車等に跳ね飛ばされて転倒した後、さらに自動車
 等に轢かれることがありますので、自動車等のタイヤの紋様を表す皮下出血
 ・表皮剥脱などの、いわゆる轢圧創が見受けられることがしばしばあります。
ウ デコルマン創
  皮下剥離創のこと。自動車事故を最も典型的に表す創傷のひとつで、自動
 車のタイヤが身体を轢過する際に皮膚のみを強く引っ張るために筋肉と皮膚
 が剥がれてしまい剥離創が出来ます。皮膚が断裂してその上さらに筋肉から
 剥がれているものや、単に裂創が伴わずに皮膚が筋肉から剥がれているだけ
 のものなどがあります。
エ 着衣の破損状況
  墜落死・転落死の場合と同様に、交通事故死の場合にも着衣が破損してい
 ることが多いのですが、表皮剥脱のところで説明したような理由から、交通事
 故死の場合は、落下面を移動した際のすり傷のような破損が見られるのが特
 徴です。

|

« 法医学リーズン《82》 | トップページ | 法医学リーズン《84》 »

事件分析」カテゴリの記事

写真」カテゴリの記事

学問・資格」カテゴリの記事

法医学」カテゴリの記事

社会」カテゴリの記事

コメント

参考になりました。
ここで勉強したことを下敷きにして、憎いアイツを殺します。
そうすれば≪完全犯罪≫ 達成です。

高く舞い上がらせて地面に落とせばいいんですね。
すりむき傷を作らないように・・・。

投稿: 田吾作 | 2009年7月12日 (日) 00時39分

田吾作さん、穏やかではないですね。

飛んで居る蚊は薬物噴霧で薬殺。
たかっている蚊は殴打殺。
たまに、明りに吸い寄せられて、熱線に触れる自殺する蚊もいる。

田吾作さんの成功を祈る!!

投稿: 花と風景 | 2009年7月12日 (日) 07時01分

impact 田吾作さん
なかなか手厳しいですね。
高く舞い上がらせればそのままトンズラするかもしれませんので、
ここは、水中に深く潜らせたら如何ですか?
溺死も良く完全犯罪をもくろんで使用される手です。

投稿: イソップ | 2009年7月12日 (日) 08時42分

impact 花と風景さん
田吾作さんも恨み骨髄のようです。
成功と勝利を祈りましょう。

投稿: イソップ | 2009年7月12日 (日) 08時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/181265/45564022

この記事へのトラックバック一覧です: 法医学リーズン《83》:

« 法医学リーズン《82》 | トップページ | 法医学リーズン《84》 »