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2009年5月 5日 (火)

法医学リーズン《73》

イ 自他殺の判断
  薬物中毒死体の自他殺を判断するための一般的着眼点と一応の判断基準
 を示しておきます。

① 毒物の種類
 ○ 自 殺
  ・ 自殺の場合は、遅効性のもの、特に睡眠剤を服用することが多い。
 ● 他 殺
  ・ 他殺の場合は、即効性の毒物が使用されることが考えられる。

② 毒物の性状
 ○ 自 殺
  ・ 臭気が強い、刺激の強い味がする、などの毒物を使用している場合は、
   自殺と考えられる。
 ● 他 殺
  ・ 毒物が混入されていることを察知されないようにするため、無味・無臭
   のものが使用されることが考えられる。

③ 服用量
 ○ 自 殺
  ・ 毒物を多量に服用している場合は、自殺と考えられる。したがって、
   飲み残しが少ない。
 ● 他 殺
  ・ 毒物の服用量が少ないときは、他殺の疑いが強い。したがって、
   毒物の残存量が多い。

④ 服用時の状況
 ○ 自 殺
  ・ 自殺の場合には、毒物を吐き出していることは少ない。
 ● 他 殺
  ・ 毒物を吐き出しているときには、他殺の疑いが強い。

⑤ 毒物容器の有無
 ○ 自 殺
  ・ 毒物の入っていた空瓶・空箱などが死体の近くになければならない。
 ● 他 殺
  ・ 毒物の入っていた空瓶・空箱が現場にないときは、他殺の疑いが強い。

⑥ 毒物容器の指紋の状況
 ○ 自 殺
  ・ 毒物の入っていた空瓶・空箱などに死者の指紋が付着している(ただし、
   自分で飲んだからといって自殺とはいえないので、指紋の有無だけで自他
   殺の判断はできない)。
 ● 他 殺
  ・ 毒物が入っていた空瓶・空箱などに死者以外の者の指紋が付着している
   ときは、他殺の疑いが強い。

⑦ 助けを求めた状況の有無
 ○ 自 殺
  ・ 自殺では、助けを求めたり、医師の往診を求めていることはない。
 ● 他 殺
  ・ 服用後、助けを求めたり、医師の往診を求めているときは、他殺の疑い
   が強い。

⑧ 指先の毒物の付着
 ○ 自 殺
  ・ 使者の指先に服用した毒物反応があるときは、自殺の疑いがある。
 ● 他 殺
  ・ 指先に毒物反応がないときは、他殺の疑いが強い。

⑨ 着衣及び現場の乱れの有無
 ○ 自 殺
  ・ 自殺の場合には、着衣を着替えた上、現場を整頓している。
 ● 他 殺
  ・ 着衣及び現場が乱れているときは、他殺の疑いが強い。

⑩ 毒物の入手状況
 ○ 自 殺
  ・ 死者が入手できる毒物を使用していなければならない。
 ● 他 殺
  ・ 死者が入手できない毒物を使用しているときは、他殺の疑いが強い。

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