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2009年4月18日 (土)

法医学リーズン《72》

(2) 薬物中毒死
   薬物中毒死の疑いがある変死体を検視する場合には、次のような点に留
  意し、証拠物等の確保に当たらなければなりません。
  (ア) 現場の観察
     すべての変死体の検視に当たって、現場観察を徹底して行うことは大
    変に重要なことですが、取り分け、薬物中毒死の場合には、死体の外部
    所見からだけでは自他殺の判断ができないことが多いことから、現場観
    察の重要性が一層強くなります。
     なお、現場は、犯人や家族などによって変更されることがありますので、
    観察に当たっては、その矛盾等を十分に検討しなければなりません。
  (イ) 死体の服装・位置・姿勢等
     通常、自殺の場合には、汚れた衣服を新しい着衣と取り替えた上、布団
    の中で整然と死亡していることが多いものです。ところが、他殺や事故死
    の場合には、着衣が汚れたままであるとか、あるいは、助けを求めて、出
    口の方向へ飛び出そうとした姿勢等を示していますから、死体の服装・位
    置・姿勢等を十分に観察する必要があります。
  (ウ) 薬物容器等の発見と指紋検出
     自殺の場合には、死体の周辺に、薬物が入っていた空きびんや空箱が
    なければなりません。ただ、死者の家族等が片付けてしまっていることが
    ありますし、逆に、犯人が空きびんや空箱を故意において自殺のように
    偽装することもありますから薬物容器が死体の周辺にあるかどうかという
    ことだけで自他殺の判断をすることは危険です。
     なお、薬物の容器を発見した場合には、必ず指紋の検出を行い、その
    容器に印象されている指紋が誰のものかを特定するようにしなければな
    りません。
  (エ) 残存薬物及び吐しゃ物等の採取
     薬物中毒死の場合、その薬物が何であるかを知ることは大切なことで
    す。そこで、鑑定を行うための材料として、残存の薬物及び吐しゃ物、さ
    らには、失禁尿・脱糞などを必ず採取しておく必要があります。
  (オ) 症状の聴取
     死亡前の症状は、その死因が薬物中毒死であるか、あるいは、薬物の
    種類は何であるかを判断する上において貴重な資料となりますから、嘔
    吐・下痢・腹痛・痙攣・昏睡などの症状が死亡前にあったかどうか、あった
    とすればその状況はどうであったか等を、詳細に聴取しておかなければ
    なりません。

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