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2009年3月26日 (木)

法医学リーズン《70》

(イ) 自動車の排気ガスの場合
   自動車の排気管にゴムホースを接続して車内に引き込み、そこから出る
  排気ガスを利用して自殺する事案が多く発生していますが、これは、自動車
  の排気ガスに含まれている一酸化炭素による中毒死なのです。
   また、車内に練炭コンロを持ち込んで練炭をおこして死亡したり、車庫内な
  どで自動車のエンジンを掛けっ放しにして仮眠していて死亡することもありま
  が、これらもやはり一酸化炭素中毒死です。
  a 場所の選定
    自殺の場合には、なるべく他人に発見されないようにするため、人目に付
   かない場所(例えば、人通りの少ない山道・川岸、シャッター付き車庫の中
   など)を選んでいます。
  b 密閉保持工作
    自殺の場合、車庫や自動車のドアなどのすきまに新聞紙を挟んだり、ある
   いは、ガムテープなどをはっていることが多いようです。自殺の目的を遂げ
   るために、排気ガスがなるべく外部に逃げないようにするという意図からこの
   ようなことが行われますので、その点の観察を十分に行う必要があります。
  c 死者の着衣に破損や乱れがなく、しかも、運転席等にきちんと腰を掛けた
   状態、あるいはシートを倒して寝た状態のまま、自然な形で死亡している場
   合には、自殺と考えられます。これに対し、他殺の場合は、よほど事後の偽
   装工作を行わない限り、そのような形に整えることは不可能ですから、死者
   の着衣及び姿勢などから自他殺のある程度の判断が出来ます。
  d 手指掌の付着物
    排気ガスを利用して自殺する目的で、自動車の排気管にゴム管をつない
   で自動車内に引き込んだ場合には、死者の手指掌に排気管の煤煙などが
   付着していることが考えられますから、手指掌から付着物を採取することを
   わすれてはなりません。

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