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2009年2月20日 (金)

法医学リーズン《67》

3 中毒死体検視上の留意点および自他殺の判断
  既に説明したように、中毒死には、自殺・事故死、そして、時には他殺がある
 わけですが、それが自殺か他殺か、あるいは事故死かを判断することは極め
 て困難です。
  その理由の一つとしては、例えば、一酸化炭素を吸わせて他人を殺害する場
 合にしろ、毒物を飲ませて殺害する場合にしろ、被害者に対して直接的に有形
 力を使うことは必要ではありませんから、被害者の身体には、殺人を推察させ
 る痕跡が何も残らないということが挙げられます。
  また、毒物を服用して中毒死したことは分かったとしても、その中毒症状自体
 からは、自分で服用したものか、他人に飲まされたものであるかは分かりませ
 んし、仮に自分で飲んだとしても、自殺の意図で飲んだのか(自殺)、毒物と知
 らずに飲んだのか(事故死)、あるいは、他人に毒物を入れられていることを知
 らずに飲んだのか(他殺)の判断はできないということも、その理由となるでしょ
 う。
  このようなことから、結局、中毒死体の自他殺の判断に当っては、死者に自殺
 の原因・動機があったか、あるいは、死体の位置・姿勢に不自然な点はないか、
 毒物が入っていた容器が現場に存在するか、現場の乱れはないかなどの点を
 検討した上で、総合的に判断するほかはありません。
  次回からは、一酸化炭素による中毒死体と青酸化合物・睡眠剤などによるい
 わゆる薬物中毒死体などについて、死体観察上の留意点と自他殺の判断につ
 いて説明します。

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コメント

〔世界蘭展〕のあとだけに、身が引き締まります。

被害者(?)の日常から探っていかないと結論がだせないでしょうね。

それだけに小説の上では扱われ易いんでしょうね。

投稿: 田吾作 | 2009年2月21日 (土) 01時54分

impact 田吾作さん
最も難しい検案がこれです。
ある程度煮詰めたら、状況から判断しなければなりませんね。
との程度の判断力を持っているかが問われることになりますが・・・
確かに、どちらへも転ぶ可能性があるので、小説の題材には向いているのでしょうね。

投稿: isoxp | 2009年2月21日 (土) 10時16分

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