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2008年11月22日 (土)

法医学リーズン《55》

(3) 一撃多創
    一撃多創とは、1回の加害行為で2個以上の創傷ができることをいいます。
   例えば、腕を曲げている際に切りつけられたとき、創傷は、上腕部と前腕
  部に付きます(下記参考図1参照)し、両刃の凶器で攻撃を加えられた場合
  に、これを握りしめたときは、手掌指に2個の創傷ができます(下記参考図2
  参照)。
   一撃多創は、被害者の姿勢や凶器の種類を知るための資料となりますか
  ら、腕などの位置を移動させながら、各創傷を相互に関連させて検討する
  必要があります。

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    槍創又は銃創              両刃の刃物

(4) 内臓の損傷
   体内各臓器の損傷は、頭部損傷とともに検視上重要なものです。
   内臓が損傷しているか否かは、外表からは分かりませんが、腹部等を蹴
  られたり、殴られたりした場合には、肝臓・脾臓・腎臓・肺臓・胃・腸などが
  破裂していることがありますから、腹部に皮下出血があるとか、その部分の
  着衣に蹴られた跡の土や砂等が付着しているときなどは、内臓損傷を負っ
  ているのではないか、ということを検討しなければなりません。
   また、腹部や背部の刺創については、内臓を損傷していたり、あるいは、
  出血した血液が内部にたまって各臓器を圧迫して死に至っていることなど
  がありますので、この点についても注意しなければなりません。
(5) 創傷部の保護
   創傷を検視する場合には、創口を無理に広げたり、あるいは、指や器具
  などを不用意に突っ込んだりすることは避けなければなりません。なぜなら、
  それによって、創口を変化させたり、創洞の架橋状組織片を切ったり、ある
  いは、新たな創をつくってしまい、事後、凶器を推定する上で支障を来たす
  ことになるからです。
   また、創傷は、乾燥によって変化することがありますので、湿ったガーゼ
  などを当てて創傷部位を保護するなどの配意が必要です。

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コメント

被害を受けたからのメッセージを、大切に保存しないと真実にはたどり着けなくなりますね。

傷の具合からも、加害者の利き手も分かるようですし。

物騒な世の中です。
しかし、いくら気を付けても、「誰でも良かった」との通り魔的犯罪もあるので、四方八方に目を向けていないと身を守れませんね。

投稿: 花と風景 | 2008年11月22日 (土) 17時18分

impact 花と風景さん
また、いやな事件が発生しました。
TVでは色々とおかしな評論家と称する連中が勝手なことを言っていますが、推測による先入主が一番、捜査を撹乱する元なんです。
事実で重要なことは警察も発表しませんし、この連中に飛び付くマスコミにも問題があるのではないでしょうか。

事件捜査というものはそんなに簡単な甘いものではないんですがね。
過去の大きな事件で正しかった評論は皆無です。

投稿: isoxp | 2008年11月22日 (土) 21時05分

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