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2008年6月15日 (日)

法医学リーズン《40》

   次に、現場観察及び死体観察の着眼点について説明します。
ア 入水場所の確認
  水死体は、水中を浮遊して移動しますから、死者が入水した場所を確認する
 ことは非常に困難なことです。しかし、入水場所には自他殺を判断するための
 重要な資料が残されていますので、可能な限り確認するよう努めなければなり
 ません。
  ところで、自殺の場合、自殺者は、入水場所に所持品や履物等をきちんとそ
 ろえて置いていることが多く、中には遺書をおいていることもあります(ただ、他
 殺の場合でも、犯人が犯行後に履物等をきちんと整頓して自殺に偽装するこ
 とがありますから、このような状況があるからといって、自殺と断定するのは危
 険です)。これに対し、他殺の場合には、所持品及び履物等が散乱し、あるい
 は、付近に多数の足跡が残っていたり、現場の雑草が踏み荒らされる等、現
 場が乱れているのが通常です。
イ 着衣の乱れ
  水死体は、水中を浮遊する際、着衣を水中の岩石に引っ掛けたり、あるいは、
 水の流れ等によって着衣が脱げるなどして全裸になっていることがあります。
  したがって、着衣の乱れから自他殺を判断することは困難です。しかし、水の
 動きの少ない場所で発見された死体や入水後間がない死体の着衣が破損して
 いたり、ボタンが脱落していたなど着衣に異状があった場合には、他殺の疑い
 が強くなりますから、その原因を明らかにしておく必要があります。

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コメント

推理小説では
肺の中の水に含まれている水の質と、水死体のある場所の水の質との違いで、他殺の証拠となる話がありますね。

田吾作亭は川のヘリですから、こんなテーマは現実味があって怖いですね。

投稿: 田吾作 | 2008年6月15日 (日) 20時56分

impact 田吾作さん
そのような推理小説もありましたね。
水質から場所を特定するのもひとつの方法ですが、一番確実なのは体内に入り込んだプランクトンから割り出すのが良いとされています。
水は流動的に入れ替わりますが、プランクトンは脊髄の中まで入り込みますので、正確に割り出せるとされていますし、現在も最良の方法とされています。もちろん、体内の土砂などでも可能です。

フィクションと違って実際は非常に厳しいようです。

投稿: イソップ | 2008年6月15日 (日) 21時18分

秋田の事件では、少女が川に落ちた場所をなかなか特定できずにいましたね。
最初はとんでもなく遠い上流から誤って川に落ちたとされ。
その後に、母親が直ぐ上の橋から落としたとして逮捕されている。

投稿: 花と風景 | 2008年6月16日 (月) 05時49分

impact 花と風景さん
あの事件は確かに難しい事件でしたね。
しかし、川の流れや河原の状況からすれば、もっと早く解決できたもので、現場の観察が疎かにされた良い事例です。
また、経験や能力のない。警察OBなどが、色々と分けの解らない解説や評論をするから、余計にこんがらがった良い例でもあります。
責任のないメデアはその辺をもっと考えるべきでしょう。

投稿: イソップ | 2008年6月16日 (月) 10時47分

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