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2008年6月 8日 (日)

法医学リーズン《38》

イ  溺死であることを示す外部所見
 (ア)   白色泡沫の洩出
     溺死体の多くは鼻・口から白色の泡沫が洩出しています。これは、
   肺臓の内部が溺水で刺激されることによって、その内壁から粘液が出て
   きて、肺臓内の空気や溺水とかくはんされることによって、生じるものです。
     そして、この泡沫は、気管を通って、鼻・口から外部へ洩出します。
     なお、白色泡沫は、溺死のほか、テンカンで死亡した場合や睡眠薬中
   毒・一酸化炭素中毒などにより肺水腫を起こして死亡した場合にも生じ、
   また、腐敗現象によっても生じることがあります。この泡沫は、溺死の場合
   は、通常、細かい粒が集合して綿のようにふんわりしているのに対して、
   中毒死や病死の場合には、大小不ぞろいである点に違いがあるといわれ
   ています。しかし、実務上、それを見分けることは困難ですから、白色泡沫
   の状態だけから溺死か否かを判断することは危険です。
     なお、長い間水中に浸っていた古い死体では、白色泡沫が消失してい
   る場合があります。また、新しい死体であっても、気管支の中にだけ白色泡
   沫があって鼻や口から出ていないことがありますが、この場合には、胸部を
   圧迫すると出てきますから、検視に当っては、人工呼吸を行う要領で胸部
   圧迫を試みる必要があります。
     また、白色泡沫は、乾燥すると淡黄色のかさぶたのようになって鼻や口
   の付近に付いてしまいますから、そうなる前に写真撮影しておくことが大切
   です。
 (イ)   水(海)中物の握持
     これは、死体現象そのものではありませんが、溺死の場合には、水辺の
   草や海藻、あるいは、水(海)中の異物をつかんでいることが多いものです。
   これは、「溺れる者はわらをもつかむ」というたとえもあるように、おぼれそう
   になった者は、助かりたい一心から、身辺にある漂流物等に必死につかまり
   ますし、また、覚悟の自殺の場合でも、苦しさのあまり手を握り締める際に
   漂流物をつかむことが多いという理由によります。
     したがって、水(海)中に存在するものを握持していた場合には、溺死とみ
   てまず間違いありません。

Dscn084736
  ※ 溺死体の白色泡沫の状況
     

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コメント

溺れる者は藁をも掴む。
私は、濡れ手で泡と行きたいです。
私の傍ではなく、私と蕎麦を食べましょう!!

投稿: 那須の浮雲 | 2008年6月 8日 (日) 21時55分

impactヤクシンさん
あなたの傍も捨てがたい。
だけど、本当に美味しそうなそば。
調布の深大寺にも、有名な蕎麦があります。一度食べると病み付きになり、傍にある深大寺の参拝も忘れるほどです。

投稿: イソップ | 2008年6月 8日 (日) 22時09分

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