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2008年5月25日 (日)

法医学リーズン《33》

(イ)    扼痕の個数・形状
    扼痕は、両手で頸部を圧迫した場合には10個、片手で圧迫した場合に
  は5個というように、すべての指の跡が残っているように考えられがちです。
    しかし、現実には、すべての指の跡が残っていることは少なく、例えば、
  拇指の跡が1個だけであったり、中指の跡が1個だけということもあります。
  また、扼殺の際、被害者の抵抗により手がずれた場合には、これとは逆に
  拇指の跡が3~4個も見受けられることもあります。したがって、扼殺の場合
  にはすべての指の跡が残っているだろうという先入観を排除して検視に当ら
  なければなりません。
    また、扼痕は、頸部を手で強く圧迫することによって発現するものですか
  ら、手指が作用した形に残ります。特に、硬い爪は最も強く作用しますから、
  爪の形に相応する扼痕が残っている例が多く見られます。そのため、扼痕を
  三日月形爪痕と称している学者もあります。
    しかし、これは、定型的な扼痕の例であり、扼痕の中には、指の形とは全
  く異なったもの、例えば、ニキビをつぶした跡やカミソリ負けの跡などのような
  形状を呈するものもあり、その形状は様々です。
(ウ)    扼痕の色調
    扼痕は、その大部分が表皮剥脱や皮下出血を伴っていますから、新しい
  扼痕は通常、暗赤色を呈しています。そして、表皮剥脱や皮下出血を伴った
  部分の皮膚は、時間の経過とともに乾燥して革皮様化し、暗褐色に変色して
  いきます。
    ただ、乳幼児や病弱者のように、わずかな圧迫でも死亡してしまう者が被
  害者である場合には、表皮剥脱や皮下出血の形跡もなく、当該圧迫部の皮
  膚がわずかに淡白色に変色している程度のこともあります。この場合の変色
  は、頸部を動かすとすぐに消えてしまいますから、死体の取扱いには十分に
  注意しなければなりません。
    しかし、このような場合でも、圧迫部の皮下組織は出血しているのが通常
  ですから、当該圧迫部は、時間の経過とともに、暗紫赤色に変色(打撲後に
  見られる変色と同じ)したり、あるいは、次第に乾燥して革皮様化し、暗褐色に
  変色していきます。
エ その他の外部所見
  死斑、糞・尿失禁、陰茎の勃起、射精などの所見は、絞死の場合とほぼ同様
 です。
  なお、舌の挺出は、縊死の場合のように必ず所見されるというわけではありま
 せんが、多くの事例において見受けられます。

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コメント

イソップ先生

田吾作はやっぱり病気で死にたい。

死んだあとのことはどうでもいいようなものですが、無様な姿を残したくありません。

眠るが如く・・・・、ってのがいいです。


また勉強しました。

投稿: 田吾作 | 2008年5月26日 (月) 02時37分

impact 田吾作さん
きょうは朝から夏日のように暑く、良い天気です。
大丈夫。暴飲、暴食をしなければ病気にはなりません。
一番の理想は、天寿を全うすることです。それこそ、眠るが如くの大往生になりますよ。
それには、ストレスを溜めず、趣味に没頭し、悠々と自適の生活を送ることです。

投稿: イソップ | 2008年5月26日 (月) 08時36分

田吾作さんは此方で寂しそうな事を。

6月1日にはヨタロウ戦記で奮起しなければなりませんよ。

人の寿命は、
成るように成っている。
それとも、
成るように成るんだ。

その、何れかを選ぶことでその人の生き方と、生きた価値が違って来るように思いますよ。

ヤクシンめ、ほざいたな。と、奮起して下さい。

投稿: ヤクシン | 2008年5月26日 (月) 11時22分

impact ヤクシンさん、田吾作さん
人間の一生は、自殺を除いては天のみぞ知るでヤクシンさんのいうとおりです。
一日でも長く、命の源である空気を吸い、カメラのシャッターを押せるように頑張りましょう。

投稿: イソップ | 2008年5月26日 (月) 18時17分

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