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2008年3月 9日 (日)

法医学リーズン《22》

2  縊 死
  縊死とは、索条(紐・縄・ロープなど)を頸部(首)に巻き付け、その一方を樹木
 や建物などの高いところに固定して吊り下がり、自己の体重を利用して頸部
 を絞めて窒息死する、いわゆる、首吊りのことをいいます。
  縊死の場合、そのほとんどは自殺です。しかし、過去には、他の方法で人を
 殺害した後、首吊り自殺に見せかけた事例や自殺では世間体が悪いと考えた
 家族が、縊死を病死であるとして捜査機関に届け出たという事例などもありま
 すので、縊死の死体所見についても十分に理解しておく必要があります。
  なお、縊死の場合、頸部に巻き付けた索条を、首の前後あるいは左右で結
 んで輪状にしている形態のものと、結び目を作らず首にそのまま掛けている形
 態のものとがありますが、法医学上、前者を結節蹄係、後者を開放蹄係と呼ん
 でいます。そして、この形態は違っても、縊死は、自己の体重を利用して頸部を
 強く締め付けることから、頸部に索条の跡が必ず見受けられますが、これを索
 溝又は縊溝といいます。
  ところで、縊死は、索条の巻き付け方や索条に対する体重の掛かり具合に
 よって、定型的縊死と非定型的縊死とに分けられています。
  もっとも、定型的縊死だから自殺、非定型的縊死だから他殺というような区
 別は不可能ですから、自他殺を判断する上での直接の資料とはなりませんが、
 その死体所見には大きな違いがありますので、検視をする上で重要な区分で
 す。

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コメント

難しいけど、興味があります。

難しいから推理小説の主題に、しばしば登場するのでしょう。

イソップ師匠の〔法医学教室〕は、じっくり読ませていただいております。

投稿: 田吾作 | 2008年3月10日 (月) 02時03分

camera 田吾作さん
一人でも興味を持っていただければ幸いです。
確かに難しいのですが、解って来れば来るほどその深さに引きずり込まれてしまいます。
ドラマはドラマ、小説はまた小説として割り切ってみれば、実際とのギャップがわかり、面白い見かたも出来ると思います。

投稿: イソップ | 2008年3月10日 (月) 10時12分

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