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2008年1月22日 (火)

法医学リーズン《14》

(3) 晩期の死体現象
   死体は、通常の場合、死後24時間を経過したころから、腐敗などの現象
  を起こし始め、さらに時間が経過すると身体の軟部組織はその経過ととも
  に崩壊して、ついには白骨化してしまいます。また、時には、このような経
  過を経ることなく、ミイラや死蝋などの永久死体となることもあります。
   このような死体の変化を、晩期の死体現象と呼んでいます。
 
 ア 腐敗・融解
   人の体内、すなわち、胃・腸・気管などには多くの細菌が付着しています
  が、生存中は殺菌作用などによってその健康が保たれています。
   ところが、死亡するとこれらの細菌が急激に増えていき、その増殖した
  細菌の作用により、身体の細胞や組織が分解されていきます。
   これが死体の腐敗です。
   また、死体は、臓器の組織内にある酵素の作用(融解)や真菌カビによる
  酸化(風化)などによっても細胞が分解されますが、これらは、ほとんど併行
  して起こり始めますので、ここでは、これらの現象を併せて単に腐敗として
  説明することにします。

  (ア) 腐敗速度
     腐敗の速度は、空気の流通度などの外的条件や、年齢・体質・死因
    などの内的条件によって著しく左右されます。一般的に、空気の流通が
    よければ腐敗が促進され、逆に悪ければ遅延します。したがって、死体
    の腐敗は、空気中が最も早く、次に水中、地中の順であるといわれ、そ
    の比率はおおむね、空気中1:水中2:地中8の割合であるといわれてい
    ます(カスペルの法則)。
     腐敗は、温度が20゜~27゜Cの間で適当な湿度があるときが最も早く進
    行するといわれており、身体の組織内に水分もしくは脂肪分の多い者や
    新生児及び幼児などについては腐敗速度が普通より速くなります。
     また、5゜C以下の温度では腐敗しません。

    腐敗の状況についての基準

      経過日時           腐 敗 の 状 況

      1~3 日     下腹部・鼠径部などが淡青藍色若しくは淡緑色に   
                変化する。眼球は柔軟となり弾力性を失う。

      3~5   日     皮膚は紫緑褐色を呈し、背部・胸腹部・四肢は斑
                紋状に変色する。

      8~12 日     皮膚の変色部から汚赤褐色の樹枝状の静脈が
                透見できるようになる。

      14~20 日     腐敗は高度に進行し、死体の各所に血様色の液
    (夏 8~10日)    を容れる水泡が生じ、表皮が容易に剥離できる。
    (冬20~30日)    皮下組織内に腐敗ガスがたまり、いわゆる巨人様
                観を呈する。

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コメント

腐敗すると怖いですね。

間もなく死ぬ田吾作は、焼かれるのも怖いし、こうして腐ってゆくのも嫌ですね。

死後を想像すると怖い。
かといって、介護されて嫌々生きているのも本意じゃないし、年をとるって嫌ですね。

投稿: 田吾作 | 2008年1月23日 (水) 02時14分

田吾作さん
この世に生を受けた者は誰もが通る道です。
でも、田吾作さんはまだそこまで考える必要はないでしょう。
綺麗に天寿を全うし、綺麗に黄泉の国へ送ってもらうためには、日頃から主治医を持つことと、不調を感じたら早めに診療を受けることです。医師法に基づき診断書を書いてもらえるよう自分の健康を管理しましょう。
これからが"Gold-Age"じゃありませんか!!
お互いに人生を謳歌しましょうよ!!!

投稿: イソップ | 2008年1月23日 (水) 11時27分

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