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2008年1月20日 (日)

法医学リーズン《13》

オ 角膜の混濁
  死後、時間が経過すると、角膜(黒目の部分を覆っている膜)に点状ないし
 小斑状の混濁が生じてきます。そして、その混濁は徐々に白さを増していき
 やがては瞳孔が見えなくなるまで混濁してしまいます。
  このように、角膜が混濁する原因について、従来は、角膜が乾燥するため
 に起こる現象であるといわれてきました。
  ところが、その後の研究によって、目を閉じた死体や水死体においてもこ
 の現象が見られることから、角膜の細胞成分である蛋白質が死後に変化を
 起こすための現象であることが明らかにされています。
  角膜の混濁の程度については、法医学者によって、透明・微混濁・軽度混
 濁・中度混濁・高度混濁とか、軽度の混濁・中等度の混濁・高度の混濁など
 に区分されていますが、その過程によって細分化されていることであり、特に
 大きな違いもないことから、今回は後者の区分に従って混濁の状況を説明
 します。

   区  分       経過時間        角膜混濁の状況    

  軽度の混濁    5 ~ 6 時間   点状あるいは斑状に軽度の白い
                         混濁が起こってくる。

  中等度の混濁  10 ~15 時間   角膜全体が薄く混濁してくる。瞳孔
                         は黒い部分の形が分かる程度に
                         見える。

  高度の混濁    24 ~36  時間   混濁は著明となり、全体に白濁して
                         瞳孔は全く見透し得なくなる(黒目の
                         部分が分からなくなる状態を指す)。

   ※ ただし、死体が開眼している場合や温度が高い場合には、混濁の
     進行も早い。

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コメント

死体の目なんて見たことが無いから全然わかりませんが、内容はよく判りました。

こういう研究は犯罪捜査には欠かせないのでしょうけど、それ以外でも役にたつことがあるのですか?

こんな失礼な質問をして、叱られるかもしれませんが、お許しください。

投稿: 田吾作 | 2008年1月21日 (月) 18時29分

田吾作さん、こんばんは
大きな目的は、貴方のおっしゃるとおり犯罪捜査です。しかし、世の中には医者にもかかれず、他為介在もなく(殺人の被害者ではなく)亡くなる方が大勢居ます。いわゆる変死者ですが、こういう人達の死因を究明し、埋葬しその人権を守るためには手続上、医師の診断書が必要となります。正しい診断をするには、死体見分が必須となるんです。その見分(検死)を正確にするためには、それだけの知識と能力が必要となります。それが法医学の目的でもあるんです。

投稿: イソップ | 2008年1月21日 (月) 21時35分

ハイ、判りました。

イソップさんについていって勉強します。

投稿: 田吾作 | 2008年1月22日 (火) 03時25分

田吾作さん
一人でもご理解いただける方が増えればうれしい限りです。
あまり、馴染みのない分野なので、参考にしていただければありがたいです。

投稿: イソップ | 2008年1月22日 (火) 12時36分

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