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2008年1月19日 (土)

法医学リーズン《12》

エ 体表の乾燥
  人の身体は常に水分を発散させています。そして、この作用は死後も続き
 ますから、水分の発散だけで補給が全く行われない死後においては、皮膚及
 び粘膜は急激に乾燥していきます。
  特に、粘膜が外部に露出している口唇、大(小)陰唇、肛門や体表面積の広
 い陰のうなどは水分の蒸発が強いために、乾燥して硬くなり暗褐色を呈し皮
 革のようになります。この現象を革皮様化といいます。
  また、生前または死後にできた表皮の剥脱部、火傷部、湯潑部、絞扼の痕
 部なども、乾燥が比較的に速く、革皮様化します。
  この革皮様化は、死後2~3時間くらいで形成されるといわれていますので、
 革皮様化のない死体は、死後2時間以内の死体ということができます。
  ただし、水中にある死体には革皮様化はありません。
  なお、乳児の死体の場合に口唇が黒ずんでいることがありますが、これは、
 粘膜のやわらかい乳児の口唇が唾液等にぬれていた場合に、その部分が
 急激に乾燥することによってできる現象で、いわゆる“かたかわき”といわれ
 ているものです。

※ 剥脱=はくだつ=はがれ取れている状態。

※ 湯潑傷=とうはつしょう=高温蒸気、高温液体等の接触によって起こる皮膚
                 など身体組織の損傷をいう。

※ 絞扼=こうやく=絞痕、扼痕のこと。
           絞痕=索条の圧迫、擦過等によってできた頸部の表皮変色
               陥凹部をいう。
           扼痕=手または指で絞めたときの圧痕。

  

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コメント

テレビドラマでは度々見ていますが、法医学って面白いんですね。
興味本位の面白じゃなく、厳粛な意味です。

それにはイソップさんの解説の判り易さがあるからですが、博識、恐れ入りました。

折を見て、今までの〔法医学教室〕へ参上いたします。

投稿: 田吾作 | 2008年1月20日 (日) 02時35分

田吾作さん
おはようございます。法医学は難しくはないんです。この、私めでさえ分かるのですから・・・
このシリーズは、かなり、専門家の方々が見に来てくれていますが、内容が内容だけにほとんどコメントをくれる人が居ません。
田吾作さんにご理解いただければうれしいです。
最近になって、関係者のレベルアップ方策が取沙汰されていますが、少しでもお役に立てばと、過去に勉強した資料に基づいて綴っております。
分かってくるとニュースの見方が変わってくるかも・・・

投稿: イソップ | 2008年1月20日 (日) 09時38分

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