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2007年11月

2007年11月20日 (火)

法医学リーズン《10》

(イ) 硬直の強弱及び持続時間
   硬直の程度及びその時間についても、死体及び死因によって差異がありま
  す。例えば、筋肉が発達しているものは硬直が強い上に長く持続しますし、急
  死の場合も一般的に長く持続します。また、筋肉の未発達な者、老人及び小
  児は早く硬直が始まります。しかしその持続時間は短い上に、硬直の程度も
  弱く、特に、新生児の場合は、その程度は極めて弱いようです。
   また、狂犬病や破傷風などのように強縮性痙攣を伴う死亡の場合は、硬直
  が強い上に長く持続し、燐中毒や敗血病などによる死亡の場合は硬直が弱く
  かつ持続も短いといわれています。
(ウ) 再硬直
   死体硬直が起こってから数時間以内に、例えば、凶器を握ったまま硬直した
  手のひらを開かせる場合のように、硬直を人工的に解くと、その後、再び硬直
  が起こります。これが再硬直です。再硬直が起こるのは死後5時間前後以内
  までで、死後7~8時間経過すると再硬直は起こりません。

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2007年11月 4日 (日)

法医学リーズン《9》

ウ 死体硬直
  筋肉は、生体では一定の緊張を保っています。ところが、死
 後しばらくすると、その緊張が
弛緩していき、さらに時間が経
 過すると、今度は次第に収縮を始めて身体の諸関節が硬くな
 り、やがて関節の屈折ができなくなってきます。この現象がい
 わゆる死体硬直です。
 (ア) 硬直の発現時期と順序
     硬直の発現時期については、死斑の発現時期と同じよ
   うに諸説が分かれていますが、通常、死後約1時間で下顎
   に軽く発現し始め、死後約2~3時間で顎関節及び項部に
   顕著に発現し、死後約10~12時間たつと、硬直は全身に
   強く見られるようになります。
     しかし、これもやはり一応の基準であり、死体によって差
   異があります。例えば、小児は成人より、また、夏期は冬期
   より早く現れますし、死亡直前に筋肉が疲労していた場合
   や、破傷風・ストリキニーネ中毒・急性熱病等により死亡し
   た場合には、早く硬直が見られます。また、極端なものとし
   ては、いわゆる“弁慶の立往生”を例にとってしばしば紹介
   される強硬性死体硬直があります。これは、死亡後の筋肉
   の弛緩がなく、死亡時において緊張していた筋肉がそのま
   まの状態で硬直してしまうために起こる現象です。
     次に、死体硬直の順序ですが、これは、身体の上部から
   下方へ順次硬直して行く下行型と、逆に、下部から上方へ
   進む上行型の二つの型があります。そして、大部分は下行
   型であり、上行型は、一酸化炭素中毒死・衰弱後の死亡な
   どの場合にまれに見られる程度です。
   
※ 
弛緩=しかん・・・ゆるむこと、たるむこと。
            =ちかん(弛緩の慣用読み)
 

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