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2007年10月 5日 (金)

法医学リーズン《6》

   イ 血液就下(死斑)
     生体においては、血液は、ポンプの作用を行っている心臓の働きに
    よって送り出され、動脈を通って末端の毛細血管までくまなく行き渡り
    ます。そして、この血液は、その後は静脈を通って吸い込まれるように
    心臓へ帰ってきます。これが、血液の循環作用です。
     ところが、死亡によって心臓が止まると、血液の流れも止まり、循環
    作用はなくなってしまいます。そして、血管の中にたまったままの血液
    は、水が低い方へ流れるのと同じように、重力の作用により、徐々に
    血管の中を低い方へ低い方へと流れて行き、最後は、その死体の一
    番低いところの血管にたまります。この現象を血液の就下と呼んでい
    ます。
     血液が毛細血管の中に多量にたまってくると、その毛細血管が拡張
    しますから、その部分の皮膚は暗紫赤色に変化し、血液がたまってい
    ることが外部から分かるようになります。これがいわゆる死斑です。
     このように、死斑は、体位の下方に流れた血液がたまることによって
    発現するものですから、床などに密着していて血管が圧迫されている
    身体の部分には発現しません。
    (ア) 死斑の発現時期
        死斑は、死後どのくらい経過したら発現するのか、ということに
      ついては、①早い時には死後30分くらい、②早くて30分ないし1時
      間、③早くて死1時間などと、学者により説が分かれていますが、
      早いものでは、死後30分前後で斑点状の死斑を見ることがありま
      すので、死斑の発現は、死後30分くらいからであると考えるのが妥
      当でしよう。
        また、一般的に、失血死では発現時間が遅く、窒息死では早い
      といわれています。

※ 暗紫赤色
  死斑色で暗い紫がかった赤色。=暗赤紫色
       

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